「…」
アイズレンシアから聞かされた話は、成程、そりゃ冴えない表情にもなるよな、という内容だった。
…冴えない表情、どころの騒ぎじゃねぇよ。
「…」
オルタンスも、青く光る爪を眺めながら浮かない顔。
爪を見るな爪を。
「俺はただ…ルレイアと仲良くハムスターランドに行きたいだけなのに…ややこしい話になってきたな…」
何を呟いてるんだお前は。
それどころじゃないだろう、今は。
とりあえず。
「…そういう話なら、他の隊長達も呼ぶべきだな」
「あぁ…」
こうなっては、もうルレイア達が無事に帰ってくるだけで済む話じゃない。
ルティス帝国の趨勢を左右する、重要な局面だ。
全隊長達に緊急召集をかけ、会議室に集まらせた。
ルレイアの件には関わっていなかったリーヴァやアストラエアやユリギウス、ウィルヘルミナ達まで呼ばれた。
この件についてはノータッチの彼らが、いきなり呼び出されたことで…皆、怪訝そうな表情だった。
リーヴァが、部屋の中にアイズレンシアの姿を見つけ、思わず声をあげた。
「オルタンス殿…これは、一体何事です?」
「ん?…あぁ、『frontier』とコラボした新色カラーで…」
いや、お前のマニキュアの話じゃねぇから。
気になるけど。そっちも。
「シェルドニアが、戦争仕掛けてくるつもりなんだとよ」
ふざけたオルタンスの代わりに、俺が簡潔に、事の次第を説明した。
「は…!?」
さすがに、リーヴァ達もこれには驚いたようだ。
…そりゃ驚くに決まってる。
「戦争…!?何故?」
「順を追って説明すると…まず、ルレイア以下、『青薔薇連合会』の幹部三人がシェルドニアの豪華客船に乗って、行方不明になったことから始まるんだが…」
俺は他の隊長達に、事の次第を詳しく話して聞かせた。
行方不明になったルレイア達が、シェルドニア王国に連れ去られたこと。
この計画を目論んだのは、シェルドニア王国の王族に連なる貴族、ヘールシュミット家の当主アシミムであること。
アシミムの目的は、ルレイアを使ってシェルドニア国王、ミレド・トレギアスを暗殺し、奪われた玉座を取り返すことであり。
その為に、アシミムはルレイアの洗脳を企み、実行したこと。
それどころかシェルドニア王国は、実は洗脳大国で、国民の全てが王国中に散らばった『白亜の塔』なる音響波を発する装置によって、国民の全てを洗脳していること。
そして今度は、ルティス帝国狙って戦争を仕掛けるつもりで、箱庭帝国のルアリスを勧誘したこと。
ルアリスは断ったが、ミレド王は侵攻を断念するつもりはないこと…。
俺達が今アイズレンシアから聞かされたのは、ざっとこんなところだ。
アイズレンシアから聞かされた話は、成程、そりゃ冴えない表情にもなるよな、という内容だった。
…冴えない表情、どころの騒ぎじゃねぇよ。
「…」
オルタンスも、青く光る爪を眺めながら浮かない顔。
爪を見るな爪を。
「俺はただ…ルレイアと仲良くハムスターランドに行きたいだけなのに…ややこしい話になってきたな…」
何を呟いてるんだお前は。
それどころじゃないだろう、今は。
とりあえず。
「…そういう話なら、他の隊長達も呼ぶべきだな」
「あぁ…」
こうなっては、もうルレイア達が無事に帰ってくるだけで済む話じゃない。
ルティス帝国の趨勢を左右する、重要な局面だ。
全隊長達に緊急召集をかけ、会議室に集まらせた。
ルレイアの件には関わっていなかったリーヴァやアストラエアやユリギウス、ウィルヘルミナ達まで呼ばれた。
この件についてはノータッチの彼らが、いきなり呼び出されたことで…皆、怪訝そうな表情だった。
リーヴァが、部屋の中にアイズレンシアの姿を見つけ、思わず声をあげた。
「オルタンス殿…これは、一体何事です?」
「ん?…あぁ、『frontier』とコラボした新色カラーで…」
いや、お前のマニキュアの話じゃねぇから。
気になるけど。そっちも。
「シェルドニアが、戦争仕掛けてくるつもりなんだとよ」
ふざけたオルタンスの代わりに、俺が簡潔に、事の次第を説明した。
「は…!?」
さすがに、リーヴァ達もこれには驚いたようだ。
…そりゃ驚くに決まってる。
「戦争…!?何故?」
「順を追って説明すると…まず、ルレイア以下、『青薔薇連合会』の幹部三人がシェルドニアの豪華客船に乗って、行方不明になったことから始まるんだが…」
俺は他の隊長達に、事の次第を詳しく話して聞かせた。
行方不明になったルレイア達が、シェルドニア王国に連れ去られたこと。
この計画を目論んだのは、シェルドニア王国の王族に連なる貴族、ヘールシュミット家の当主アシミムであること。
アシミムの目的は、ルレイアを使ってシェルドニア国王、ミレド・トレギアスを暗殺し、奪われた玉座を取り返すことであり。
その為に、アシミムはルレイアの洗脳を企み、実行したこと。
それどころかシェルドニア王国は、実は洗脳大国で、国民の全てが王国中に散らばった『白亜の塔』なる音響波を発する装置によって、国民の全てを洗脳していること。
そして今度は、ルティス帝国狙って戦争を仕掛けるつもりで、箱庭帝国のルアリスを勧誘したこと。
ルアリスは断ったが、ミレド王は侵攻を断念するつもりはないこと…。
俺達が今アイズレンシアから聞かされたのは、ざっとこんなところだ。


