オルタンスは、爪にふーふー息を吹き掛けながらやって来た。
爪がやたらとキラキラ青いことに、次期首領も気づいただろうな。
気づいても何も言わない優しさよ。
「ルレイアの居場所が分かったのか?」
「えぇ。箱庭帝国のルアリスが、シェルドニア王国に行ってルレイアに会ったそうです」
「…!」
…俺も、先に来ていたルシェも、ホッと胸を撫で下ろした。
…とにかく、生きてんだな。あいつ。
それなら良い。あいつが生きてるのなら。
そして、オルタンスも。
「…それは良かった。ルーシッド、ハイタッチしよう」
「えっ!?そ、それは…。あの…遠慮します…」
「じゃあ代わりに握手してくれ。大丈夫だ、爪は乾いた」
「は、はぁ…」
オルタンスはルーシッド相手に握手させ、手をぶんぶん振っていた。
何をやってんだあいつは。荒ぶるな。
嬉しいのは分かるけども。
「で?今はどういう状況だ?」
「ルレイア達三人は、シェルドニア王国から出国する為にアシミムを闇討ちするつもり…だったそうなんですが」
うん?
「残念ながら、それほど簡単には行かないそうです」
「アシミムって奴は…そんなに厄介なのか?」
「いえ、厄介なのはアシミムではなく、ミレド・トレギアスの方です」
「…話が見えないな。ルレイア達を誘拐したのはヘールシュミット家のアシミムであって、ミレド王は関係ないはずでは?」
「…そのはずだったんですが」
…『青薔薇連合会』次期首領の、この冴えない表情。
ルレイア達の安否が分かり、諸手を上げて喜ぶべきところなのに。
それなのにこの表情ということは。
どうやら…素直には喜べない事情があるらしいな?
爪がやたらとキラキラ青いことに、次期首領も気づいただろうな。
気づいても何も言わない優しさよ。
「ルレイアの居場所が分かったのか?」
「えぇ。箱庭帝国のルアリスが、シェルドニア王国に行ってルレイアに会ったそうです」
「…!」
…俺も、先に来ていたルシェも、ホッと胸を撫で下ろした。
…とにかく、生きてんだな。あいつ。
それなら良い。あいつが生きてるのなら。
そして、オルタンスも。
「…それは良かった。ルーシッド、ハイタッチしよう」
「えっ!?そ、それは…。あの…遠慮します…」
「じゃあ代わりに握手してくれ。大丈夫だ、爪は乾いた」
「は、はぁ…」
オルタンスはルーシッド相手に握手させ、手をぶんぶん振っていた。
何をやってんだあいつは。荒ぶるな。
嬉しいのは分かるけども。
「で?今はどういう状況だ?」
「ルレイア達三人は、シェルドニア王国から出国する為にアシミムを闇討ちするつもり…だったそうなんですが」
うん?
「残念ながら、それほど簡単には行かないそうです」
「アシミムって奴は…そんなに厄介なのか?」
「いえ、厄介なのはアシミムではなく、ミレド・トレギアスの方です」
「…話が見えないな。ルレイア達を誘拐したのはヘールシュミット家のアシミムであって、ミレド王は関係ないはずでは?」
「…そのはずだったんですが」
…『青薔薇連合会』次期首領の、この冴えない表情。
ルレイア達の安否が分かり、諸手を上げて喜ぶべきところなのに。
それなのにこの表情ということは。
どうやら…素直には喜べない事情があるらしいな?


