The previous night of the world revolution4~I.D.~

「あ~…あぅ~」

「…アリューシャ、大丈夫?」

「まう~…」

…アリューシャが、人語を喋らなくなってきた。

最近のアリューシャはずっとこんな感じ。

眠れない昼が続く、とか言ってお昼寝もしなくなっちゃったし。

間違いなく、ルレイア達の不在のせいだ。

…ルルシーとルリシヤからメッセージが送られてきてからというもの、続報は何もない。

希望があるとすれば、シェルドニア王国に訪問したルアリスだが。

少しでも良い。彼は、何か情報を掴めたのだろうか?

なかなか進まない状況に、私も気力が段々と削がれていくのを感じていた。

私だけでなく、アリューシャとシュノも。

アリューシャはこの調子だし、シュノはシュノで…最近は、アシュトーリアさんのもとに入り浸ったいるらしい。

シュノも寂しいのだろう。

「見てくれよアイ公~…」

「んー?」

アリューシャが、珍しく人語を喋ったと思ったら。

ファッション雑誌の見開きページを指差していた。

「『frontier』がキャンペーンモデルしてるマニキュアが新発売だって」

「あぁ、本当だね」

そこには、ルレイア達が大好きな『frontier』が載っていた。

メンバーそれぞれがイメージカラーのマニキュアを塗っているようで、五人それぞれ爪の色が違っている。

「ルレ公だったら、即行ゲットして塗ってんだろうなぁ。ルレ公達いねぇのに、アリューシャがこんな情報仕入れてもしょうがねぇよ!」

「まぁ…そうだね…」

こういうのを見て、一番喜ぶ人がいないっていうのは…寂しいね。

「あぁつまんねぇ…。アリューシャつまんねぇよ」

「私もつまんねぇよアリューシャ。三人がいない『青薔薇連合会』は」

彼らがいない『青薔薇連合会』なんて、最早『青薔薇連合会』ではない。

私だけでなく、シュノも、アシュトーリアさんもそう思っていることだろう。

すると。

「アイズさん、良いですか?」

「うん?」

ルルシーの部下、ルヴィアが私の部屋を訪ねてきた。

「ルヴィア、どうかした?」

「はい。ルアリスが帰国したそうで…。シェルドニアから直接、ルティス帝国に帰ってきたそうです」

「…!ルアリスが?もう帰ってきたの」

「そのようです。それから、アイズさんと直接話したいと…」

直接話したい、だって?

「分かった。すぐに会おう。空港に迎えに行ってあげて」

「はい」

削がれていた気力が、また戻ってきた。

一刻も早く、ルアリスに会わなくては。