およそ30分後には、アシミム・ヘールシュミット殿が戻ってきた。
とはいえ、既にルレイア殿の無事は把握しているので、アシミム殿に会ったところで、大して意味はないのだが。
ルレイア殿達を拉致し、ミレド王の暗殺を画策していると聞いて、一体どんな女性だろうかと戦々恐々していたのが嘘のように、アシミム殿は…こう言ってはなんだが…普通の人であった。
一体何でこの人が、そんな大それた計画を立てたのだろう、と思うほど。
ただ、アシミム殿はミレド王とは違って、露骨に俺を邪険にするようなことはなかった。
一応、礼儀正しく接してもらったものの。
アシミム殿が俺に全く興味を抱いていないのは明白だった。
ルティス帝国の端っこにくっついている弱小国家の代表なんて、彼女にとってはそこら辺に転がっている石ころのように、どうでも良いものなのだろう。
それとなくミレド王の話も持ち出してみたが、彼女は巧みに話題をすり替えてしまった。
成程、ミレド王を憎んでいるというのは本当らしい。
自分から会いに来ておいて、こんな風に言うのは失礼だが。
俺は正直なところ、アシミム殿よりも、その後ろで甲斐甲斐しく仕えているルレイア殿と話がしたかった。
もし、本当にミレド王が、本気でルティス帝国侵攻を狙っているのなら。
俺は、そのことをルレイア殿に伝える義務があると思った。
ミレド王と約束したから、帝国騎士団には告げ口しないが。
しかし、『青薔薇連合会』に告げ口するな、とは言われていない。
ミレド王からすれば同じことだろうが、俺はルティス帝国に迫っている危険を知っていながら、黙っていることは出来なかった。
それに、これは箱庭帝国にも関係する問題なのだ。
万が一、ルティス帝国がシェルドニアの手に落ちるようなことがあれば…箱庭帝国だって、タダでは済まない。
箱庭帝国なんて、あっという間にぺちゃんこに踏みつけられてしまうだろう。
それだけは、絶対に許せない。
何より、ルティス帝国は俺の…俺達にとっての、恩人でもあるのだ。
ミレド王への義理立てよりも、俺はルティス帝国を守る方を選ぶ。
それに…一体何があって、ルレイア殿がこんなところで、アシミム殿に仕えているのか。
それも知りたかった。
だから俺はアシミム殿よりも、ルレイア殿と話したかったのだが…。
アシミム殿が見ている手前、とてもではないがルレイア殿と二人きりでは話せなかった。
…と、思っていたら。
とはいえ、既にルレイア殿の無事は把握しているので、アシミム殿に会ったところで、大して意味はないのだが。
ルレイア殿達を拉致し、ミレド王の暗殺を画策していると聞いて、一体どんな女性だろうかと戦々恐々していたのが嘘のように、アシミム殿は…こう言ってはなんだが…普通の人であった。
一体何でこの人が、そんな大それた計画を立てたのだろう、と思うほど。
ただ、アシミム殿はミレド王とは違って、露骨に俺を邪険にするようなことはなかった。
一応、礼儀正しく接してもらったものの。
アシミム殿が俺に全く興味を抱いていないのは明白だった。
ルティス帝国の端っこにくっついている弱小国家の代表なんて、彼女にとってはそこら辺に転がっている石ころのように、どうでも良いものなのだろう。
それとなくミレド王の話も持ち出してみたが、彼女は巧みに話題をすり替えてしまった。
成程、ミレド王を憎んでいるというのは本当らしい。
自分から会いに来ておいて、こんな風に言うのは失礼だが。
俺は正直なところ、アシミム殿よりも、その後ろで甲斐甲斐しく仕えているルレイア殿と話がしたかった。
もし、本当にミレド王が、本気でルティス帝国侵攻を狙っているのなら。
俺は、そのことをルレイア殿に伝える義務があると思った。
ミレド王と約束したから、帝国騎士団には告げ口しないが。
しかし、『青薔薇連合会』に告げ口するな、とは言われていない。
ミレド王からすれば同じことだろうが、俺はルティス帝国に迫っている危険を知っていながら、黙っていることは出来なかった。
それに、これは箱庭帝国にも関係する問題なのだ。
万が一、ルティス帝国がシェルドニアの手に落ちるようなことがあれば…箱庭帝国だって、タダでは済まない。
箱庭帝国なんて、あっという間にぺちゃんこに踏みつけられてしまうだろう。
それだけは、絶対に許せない。
何より、ルティス帝国は俺の…俺達にとっての、恩人でもあるのだ。
ミレド王への義理立てよりも、俺はルティス帝国を守る方を選ぶ。
それに…一体何があって、ルレイア殿がこんなところで、アシミム殿に仕えているのか。
それも知りたかった。
だから俺はアシミム殿よりも、ルレイア殿と話したかったのだが…。
アシミム殿が見ている手前、とてもではないがルレイア殿と二人きりでは話せなかった。
…と、思っていたら。


