俺達は、ルレイアが正気を失った後のことを…華弦の野心も含めて…ルレイアに話して聞かせた。
「へぇ、華弦…。あの子、何か裏があるとは思ってましたけど、そんな事情が…。確かに改めて考えてみたら、ルヴィアさんの嫁に似てますね」
「気づいてなかったのか?」
「都合の悪いことだけ忘れてたみたいなので、俺」
…成程。
「…ともあれ、これで今後の方針は決まりましたね」
ルレイアはケチャップまみれの服を、俺が差し出したタオルで拭きながら言った。
いつも黒い服で慣れてるから、白と赤のコントラストが凄く違和感あるな。
ケチャップ投げたの俺だけど。
ごめんな。
「まず、俺はこのまま洗脳されてる振りをして、アシミムのところに帰ります」
「…!」
「その上で、ミレド王を暗殺するか、それともアシミムをどうするか決めましょうか…」
「…帰るのか、ルレイア」
俺は思わず、子供じみたことを言ってしまった。
でも、言わずにはいられなかった。
折角洗脳が解けたのに…。
「ルルシー…」
「…どうしても帰るのか。もし、また洗脳されたら…」
「俺だってそれは怖いですけど…」
「ルレイア先輩。ヘールシュミット邸に帰るのは良いが、長居するのはやめた方が良い。定期的に薬物の類を投与されているなら、折角解けた洗脳が、また復活する恐れがある」
ルリシヤが、俺に加勢してくれた。
「この際、ミレド王は無視して、アシミムをぶっ飛ばしたらどうだ?」
「アシミムをぶっ飛ばすって、お前…」
そりゃ俺だって、あいつをぶっ飛ばしたい気持ちは燻ってるけど。
「いや、それも手だぞ。ルレイア先輩が正気に戻った今、ミレド王を殺すメリットはない。余計な危険を冒す必要はない」
「でも…華弦にアシミムの弟を殺してもらわないと…アシミムを無力化出来ないんじゃないのか?」
「それも方法の一つだが、リスクが大き過ぎる。ルレイア先輩が正気に戻った今、もっと楽な…短絡的な方法があるだろう?」
楽な…って。
もっと短絡的な…。
「…それが…アシミムをぶっ飛ばす、ってことか」
「あぁ、そうだ」
ルレイアは今、洗脳が解けている。
このまま洗脳を受けている振りをしてアシミムのもとに戻り。
隙を突いて、アシミムを闇討ちする。
充分可能な案だ。
「へぇ、華弦…。あの子、何か裏があるとは思ってましたけど、そんな事情が…。確かに改めて考えてみたら、ルヴィアさんの嫁に似てますね」
「気づいてなかったのか?」
「都合の悪いことだけ忘れてたみたいなので、俺」
…成程。
「…ともあれ、これで今後の方針は決まりましたね」
ルレイアはケチャップまみれの服を、俺が差し出したタオルで拭きながら言った。
いつも黒い服で慣れてるから、白と赤のコントラストが凄く違和感あるな。
ケチャップ投げたの俺だけど。
ごめんな。
「まず、俺はこのまま洗脳されてる振りをして、アシミムのところに帰ります」
「…!」
「その上で、ミレド王を暗殺するか、それともアシミムをどうするか決めましょうか…」
「…帰るのか、ルレイア」
俺は思わず、子供じみたことを言ってしまった。
でも、言わずにはいられなかった。
折角洗脳が解けたのに…。
「ルルシー…」
「…どうしても帰るのか。もし、また洗脳されたら…」
「俺だってそれは怖いですけど…」
「ルレイア先輩。ヘールシュミット邸に帰るのは良いが、長居するのはやめた方が良い。定期的に薬物の類を投与されているなら、折角解けた洗脳が、また復活する恐れがある」
ルリシヤが、俺に加勢してくれた。
「この際、ミレド王は無視して、アシミムをぶっ飛ばしたらどうだ?」
「アシミムをぶっ飛ばすって、お前…」
そりゃ俺だって、あいつをぶっ飛ばしたい気持ちは燻ってるけど。
「いや、それも手だぞ。ルレイア先輩が正気に戻った今、ミレド王を殺すメリットはない。余計な危険を冒す必要はない」
「でも…華弦にアシミムの弟を殺してもらわないと…アシミムを無力化出来ないんじゃないのか?」
「それも方法の一つだが、リスクが大き過ぎる。ルレイア先輩が正気に戻った今、もっと楽な…短絡的な方法があるだろう?」
楽な…って。
もっと短絡的な…。
「…それが…アシミムをぶっ飛ばす、ってことか」
「あぁ、そうだ」
ルレイアは今、洗脳が解けている。
このまま洗脳を受けている振りをしてアシミムのもとに戻り。
隙を突いて、アシミムを闇討ちする。
充分可能な案だ。


