The previous night of the world revolution4~I.D.~

「では手始めに…正気を失ってたときの俺、どんな感じでした?」

「どんな感じってお前…。記憶はあるんだろう?」

「ありますけど…。俺視点とルルシー視点では違うでしょう」

あぁ…まぁ、確かに。

とは言っても、俺もあまり思い出したくないのだが…。

「そうだな…。アシミムが自分を助けてくれたとか言ってたな」

「…」

「ルルシー先輩を自分の敵だと言ってたな」

「…」

「テロリスト死ね、とも言われたな」

さっきな。

「…」

「…ルレイア、大丈夫か?」

ルレイアは、ぶるぶると震え出した。

ど、どうした?まだ何か、洗脳の効果が…。

「…あ、あんな縦ロールに良いように使われて、ルルシーを忘れるなんて…この愚か者めがっ!!」

ルレイアは、手に持っていた拳銃の銃床で、自分の頬をぶん殴った。

は!?

「お、お前何やってんだ!」

「ルルシーを!俺の救世主を忘れて!あんな金髪縦ロールなんちゃってゆるふわ系のですわお嬢様(笑)を救世主だと思うなんて!!アホか、馬鹿か!このポンコツ脳が!貴様の救世主が誰なのか、今一度思い出せ!刻み込め魂に!」

更に二撃目を繰り出そうとするルレイアを、俺は羽交い締めにして止めた。

このままじゃ、自分で自分を殴り殺すかもしれない。

「良いから!やめろ!分かってるから!仕方ないだろ洗脳されてたんだから!」

「洗脳なんかされる俺が悪いんですよ!ばーか。俺のばーか!」

後退してる後退してる。語彙力が低下してる。

俺は荒ぶるルレイアを、必死になって宥めた。

「落ち着けルレイア。俺は別に怒ってないし、もとに戻ったんだから、もう良いんだよ」

「うぅ、ルルシー…。ごめんなさいルルシー。俺、あなたをたくさん傷つけましたよね?」

それは…まぁ…そうだけど。

「でも戻ってきてくれたんだから、俺はそれで良いよ」

「ルルシ~…」

「よしよし、泣くな」

ぎゅ~っと抱きついてくるルレイアの背中を、ぽんぽんと叩く。

ケチャップまみれなものだから、抱きつかれると俺までケチャップまみれなんだけど。

ルレイアが正気に戻ってくれたんだから、それ以上に大切なことはない。