The previous night of the world revolution4~I.D.~

「ところでルレイア先輩…。その様子だと、洗脳されていたときの記憶はあるんだな?」

「そうですね。ありますよ」

…そのようだな。

「お陰で気持ち悪いったら…。ん?何ですか、この真っ白いセンスの欠片もない服は」

ルレイアは、今頃自分の格好に気づいたらしく。

帝国騎士団の制服さながら、清潔感溢れる白い衣装を見て、ドン引きしていた。

「道理でフェロモンの調子が悪いと思ったら…。うぇ。気持ち悪くなってきた」

白い服に嫌悪感を示す辺り…やっぱりルレイアなんだな。

「白って言うか赤いですけど…何この赤いの。ペンキ?」

「あぁ、それカラーボール…。ごめん」

洗っても落ちない仕様だとか…。

と、思ったら。

「うん?いや、ルルシー先輩に渡したのはケチャップボールだから。それケチャップ。洗えば落ちるぞ」

「は!?」

「ルレイア先輩にカラーボール投げるのは忍びなかったからな…。それでも死体の振りは出来るし」

いや、死体の振りしたい訳じゃないから。

これ、ケチャップなの?

そういえばちょっと…。トマト臭がするような…しないような…。

「…着替えるか?俺の服で良ければ、黒あるけど」

「是非ともそうしたいところですけど…今は無理ですね」

「無理…何で?」

「今の俺は、アシミムの手先ですから。この後アシミムのもとに帰らなきゃいけませんしね」

手先…って。

「ルレイア…洗脳は…解けたんじゃないのか?」

それなのに、まだアシミムのもとに戻るのか?

「解けてますよ。あの金髪糞縦ロール死ねば良いと思ってます」

良かった。この口の悪さ…間違いなくルレイアだ。

アシミムに忠誠心なんて、欠片も持ってなさそう。

「でも、だからと言って今あいつを裏切るのは得策ではない…そうですよね?ルリシヤ」

「あぁ、その通りだ」

ルリシヤが続けて言った。

「ルレイア先輩は取り戻したが、この国から出られない状況は変わらない。それなら、いっそルレイア先輩にミレドを殺してもらって、華弦がアシミムを無力化してくれるのを待った方が良い」

「…ふむ。俺が正気を失っている間に、何だか色々なことがあったようですね?」

「…そうだな」

「では、まずその話から聞きましょうか」

さっきまで、殺すか殺されるかの修羅場だったというのに。

会話自体は血生臭いものに変わりないが、ルレイアが味方に戻ったというだけで、随分気持ちが楽だった。