「…分かった。良いだろう…ルレイア、お前がそのつもりなら、俺はもう…全て諦める」
「…?」
俺はルリシヤにもらったオレンジ色のスイッチを、ルレイアに掲げて見せた。
「このホテルの敷地内、数ヵ所に…時限爆弾を仕掛けた」
「!?」
「っ、ルルシー先輩!」
驚いたのは、ルレイアだけではない。
ルリシヤもまた、愕然として俺を見つめた。
これが、計画の第二段階だ。
時限爆弾なんて嘘っぱちだ。このスイッチも偽物。
でもルリシヤは、さも爆弾が本物であるかのように演技をしているのだ。
「…まさか、あれを仕掛けたのか、ルルシー先輩…」
「…」
「…早まるな。あんなものを爆発させたら…俺達だってタダでは済まないんだぞ」
「…分かってるよ。そんなことは」
正直、俺は演技が得意なタイプではない。
けれど、今は苦手とか下手とか言ってられない。
このはったりを、信じてもらえなければ終わりなのだ。
だから、俺はわざと悲痛な顔をして見せた。
演技については、ルリシヤが事前にアドバイスをしてくれた。
「ルレイア先輩が苦しんでいるところを想像するんだ。そうすれば、ルルシー先輩は自然に辛そうな顔になるから」と。
だから、俺はルレイアが苦しんでいるところを必死に思い出した。
ルシファーだったルレイアが、二年間入院していた頃の、あの痛々しい姿を。
あれを思い出せば、成程、我ながら辛そうな顔になっていることだろう。
「このフロアは人払いさせたようだが…。さすがのお前でも、全ての宿泊客を待避させた訳じゃないんだろう?」
「…」
ルレイアは、険しい顔で黙り込んだ。
図星のようだな。
理由をつけて、アシミムの名前で無理矢理物を言わせ、ホテル側に協力を依頼して…宿泊客を逃がしたのだろうが。
無人に出来るのは、精々このフロアの宿泊客くらいだ。
王都の一等地にあるこの高級ホテルで、全ての宿泊客を無理矢理追い出すなんて、アシミムの権力と言えど、そんなに簡単には出来まい。
だからこそ、ルレイアは事が大きくなるのを恐れ、自分一人だけで俺達を捕らえに来たのだ。
「お前を取り戻せないのなら…俺は、今ここでお前と心中する…」
我ながら臭い台詞だと思ったが。
少し、本心が混じっていたかもしれない。
「ルルシー先輩!馬鹿なことはやめるんだ!生きていれば、ルレイア先輩の洗脳を解く方法だって…!」
「そんなものがあるか!俺は…俺はもう耐えられないんだ!」
ルリシヤの迫真の演技に応えるように、俺は声を荒らげて見せた。
これでルレイアに演技がバレたら、折角の演技が台無しだが。
ルレイアは、明らかに焦っていた。
爆弾が本物だという確信を持てている訳ではないのだろうが…。もし本当に爆弾が本物だったら、取り返しのつかないことになる。
どう動くべきか、判断しかねているようだ。
よし。今だ。
「…じゃあな、ルレイア…。あの世で、また会おう」
「ルルシー先輩!」
俺はオレンジ色のスイッチに指をかけた。
「っ…!」
俺の手からスイッチを奪い取ろうと、ルレイアが無防備に大きく踏み込んできた。
その隙を、ルリシヤは見逃さなかった。
「…?」
俺はルリシヤにもらったオレンジ色のスイッチを、ルレイアに掲げて見せた。
「このホテルの敷地内、数ヵ所に…時限爆弾を仕掛けた」
「!?」
「っ、ルルシー先輩!」
驚いたのは、ルレイアだけではない。
ルリシヤもまた、愕然として俺を見つめた。
これが、計画の第二段階だ。
時限爆弾なんて嘘っぱちだ。このスイッチも偽物。
でもルリシヤは、さも爆弾が本物であるかのように演技をしているのだ。
「…まさか、あれを仕掛けたのか、ルルシー先輩…」
「…」
「…早まるな。あんなものを爆発させたら…俺達だってタダでは済まないんだぞ」
「…分かってるよ。そんなことは」
正直、俺は演技が得意なタイプではない。
けれど、今は苦手とか下手とか言ってられない。
このはったりを、信じてもらえなければ終わりなのだ。
だから、俺はわざと悲痛な顔をして見せた。
演技については、ルリシヤが事前にアドバイスをしてくれた。
「ルレイア先輩が苦しんでいるところを想像するんだ。そうすれば、ルルシー先輩は自然に辛そうな顔になるから」と。
だから、俺はルレイアが苦しんでいるところを必死に思い出した。
ルシファーだったルレイアが、二年間入院していた頃の、あの痛々しい姿を。
あれを思い出せば、成程、我ながら辛そうな顔になっていることだろう。
「このフロアは人払いさせたようだが…。さすがのお前でも、全ての宿泊客を待避させた訳じゃないんだろう?」
「…」
ルレイアは、険しい顔で黙り込んだ。
図星のようだな。
理由をつけて、アシミムの名前で無理矢理物を言わせ、ホテル側に協力を依頼して…宿泊客を逃がしたのだろうが。
無人に出来るのは、精々このフロアの宿泊客くらいだ。
王都の一等地にあるこの高級ホテルで、全ての宿泊客を無理矢理追い出すなんて、アシミムの権力と言えど、そんなに簡単には出来まい。
だからこそ、ルレイアは事が大きくなるのを恐れ、自分一人だけで俺達を捕らえに来たのだ。
「お前を取り戻せないのなら…俺は、今ここでお前と心中する…」
我ながら臭い台詞だと思ったが。
少し、本心が混じっていたかもしれない。
「ルルシー先輩!馬鹿なことはやめるんだ!生きていれば、ルレイア先輩の洗脳を解く方法だって…!」
「そんなものがあるか!俺は…俺はもう耐えられないんだ!」
ルリシヤの迫真の演技に応えるように、俺は声を荒らげて見せた。
これでルレイアに演技がバレたら、折角の演技が台無しだが。
ルレイアは、明らかに焦っていた。
爆弾が本物だという確信を持てている訳ではないのだろうが…。もし本当に爆弾が本物だったら、取り返しのつかないことになる。
どう動くべきか、判断しかねているようだ。
よし。今だ。
「…じゃあな、ルレイア…。あの世で、また会おう」
「ルルシー先輩!」
俺はオレンジ色のスイッチに指をかけた。
「っ…!」
俺の手からスイッチを奪い取ろうと、ルレイアが無防備に大きく踏み込んできた。
その隙を、ルリシヤは見逃さなかった。


