The previous night of the world revolution4~I.D.~

「…ルレイア。お前は騙されてる。アシミムに洗脳されてるんだ」

「敵の言葉に耳を貸すほど、俺はお人好しじゃありませんよ」

聞いてくれないか。

だが、このくらいでは諦めない。

「お前の過去、思い出したくない過去の中で、お前を助けたのは誰だ?アシミムか?違うだろう?」

ルレイアに昔のことなんて、思い出させたくはない。

でもルレイアは、その記憶をアシミムに上書きされている。

ならば、またその記憶を正しく修正しなくては。

その為には、昔のことを思い出してもらわなければならない。

「あの場所でお前に手を差し伸べたのは誰だ?ちゃんと思い出せ。アシミムじゃないだろう」

「…敵の言葉は聞かないと言っているでしょう」

「お前を助けたのは俺だ。ルキハだ。学校…一緒に、卒業しただろう?」

「…ルキハ…?」

初めて、ルレイアが少し揺れた。

どうやら、聞き覚えがあったらしい。

やっぱり、ルレイアは死んだ訳じゃないのだ。

ルシファーの心の中で、ちゃんと生きてる。

俺のことを、覚えてる。

「アシミムはお前の辛い記憶を利用して、自分の味方をするように記憶を上書きしたんだ。あいつの言うことを信じるな」

「…嘘です。俺を助けてくれたのはアシミムさん…。俺の記憶は間違ってなんかいません」

「いいや間違ってる。お前を助けたのは俺だ。ルキハだ。ルルシーなんだ。ちゃんと思い出せ」

「…」

ルレイアの瞳が揺らぎ、躊躇いが見えた。

大丈夫…。ルレイアは俺を忘れてはいない。

「これ以上、アシミムに騙されるな。俺と一緒に、俺達と一緒に、ルティス帝国に帰ろう。お前は『青薔薇連合会』の幹部で、そして俺の相棒の…ルレイア・ティシェリーなんだ」

「…」

俺は、ルレイアに手を伸ばした。

「…何回でも、助けるって言っただろう?」

お前が何処にいても。

どんな地獄の果てにいようと。

お前がそこにいるなら、俺は助けに行く。

そう…約束したんだから。

…しかし。

「…戯れ言は終わりましたか?」

ルレイアは、憂いを断ち切るように剣を抜いた。

やはり…洗脳が解けていない。

少し揺らいだようには見えたが…まだ、アシミムの洗脳の方が強いようだ。

「…こうなっては、仕方ないな」

ルリシヤが、俺に目配せした。

計画の…第二段階、ということだ。