The previous night of the world revolution4~I.D.~

「今回の作戦は、名付けて『白雪姫大作戦』だ」

「…何だ、それは」

妙にメルヘンだな、おい。

「分かりやすく言うと、今回はこちらからは攻めず、向こうから来てくれるのを待って、迎え撃つ方向で行く」

成程。それで白雪姫か。

あくまで王子様が向こうから来てくれるのを待つだけ、と。

「…それならシンデレラでも良いじゃないか」

あれも王子を待つだろ。

「シンデレラは駄目だ」

「何でだよ」

「好みじゃないから」

お前の好みで作戦名決めてるのかよ。

まぁ、作戦名なんて別にどうでも良い。何ならなくても構わない。

目的を達成出来さえすれば、それで良いのだ。

「これから俺達は、王都にある○○ホテルに引っ越して、ルレイア先輩に見つけてもらうのを待つ。あくまでルレイア先輩が見つけてくれるまでは、手出しはしない」

「…わざわざホテルに引っ越す理由は?」

「見つけてもらいやすくする為と、それから人の出入りの多いホテルなら、ルレイア先輩も大軍勢率いてくることはないだろう」

成程。

あくまで俺達の目的はルレイアだけなのだから、それ以外の人間が大挙して押し寄せてくると、とても邪魔。

「一番困るのは、ルレイア先輩とルシードが一緒に攻めてくることだ」

「…あの男、本当に得体が知れないもんな…」

何考えてるのか分からないし、実力も未知数だ。

とはいえ。

「華弦に聞いたところによると…華弦よりは強いらしいな」

「あぁ。そう言ってたな」

華弦も、腕には心得がある、と言っていたが。

ルシードはそれ以上ってことだ。

ルレイアほどではないだろうが…舐めてかかると、腕の一本くらいじゃ済まないだろう。

敵の力量を甘く見積もることほど、愚かな行為はない。

オルタンスくらいの実力はある、くらいに思っていた方が良い。

「でも、華弦曰く…ルレイアとルシードは、大して仲が良くないと言うじゃないか」

「…」

…事実か否かは不明だが。

華弦が言うには、ルシードはあまりルレイアを快く思っていないそうな。

と言うか、まだ信用しきっていないのだと思う。

「良かったな、ルルシー先輩」

「何がだよ?」

「ルレイア先輩とルシードが仲良しだったら、きっと死ぬほど不愉快だったと思うぞ」

「…うるせぇ。そりゃそうだろ」

想像してみる。ルレイアが、俺の代わりにルシードを相棒と呼んで、自分の隣に置き。

俺を忘れ、ルシードと仲良くしているところを。

…ぶっ殺してやろうか。あのルシード。

「ルルシー先輩。目に殺意が宿ってるぞ。八つ当たりはやめてくれ」

「あ、済まん…」

ルレイアが、俺以外の人間を相棒と呼ぶ。

俺には、到底我慢出来そうになかった。