華弦との密会を終え、俺達はバーを出て、潜伏しているアパートメントに戻った。
酷い…酷い気分だった。
「…ルルシー先輩、大丈夫か。酷い顔だぞ」
「…そうだろうな」
酷い気分だからな。
「華弦に協力するのが、そんなに嫌か?」
「…別に…」
「彼女に協力するのは悪いことじゃない。基本的には、こちらにデメリットはないからな。ミレド王暗殺まで放っておけば、勝手にアシミムを無力化してくれるんだから」
「…その為にルレイアが利用されても?」
それすら、デメリットではないと?
俺が気に入らないのは、その点だ。
これ以上、何で俺のルレイアを貸してやらなければならない。
今すぐにでも返して欲しいと思っているのに。
「別に俺は、タダでルレイア先輩を貸してやるつもりはないぞ?」
「じゃあどうやって、賃貸料を取り立てるんだ」
「…ルルシー先輩、怒ってるな?さては」
…怒ってる、だと?
俺が怒ってる?そんなつもりは。
「それとも気にしてるのか?華弦に言われたことを。一度死んでしまった人格は戻らないという、あの言葉を」
「…!」
「…ふむ。図星らしいな」
…何が図星だ。
「…当たり前だろ。ルレイアが戻らないなんて…。洗脳されたまま…もう二度と生き返らないなんて…そんなこと、受け入れられる訳ないだろ!」
むしろ何でお前は、そんなに平然としていられるんだ。
俺には、とても理解が出来ない。
「うん。俺も受け入れてないぞ?」
「は?」
何を当たり前ことを、と言わんばかりに。
きょとんとして、ルリシヤはそう言った。
「俺がルレイア先輩を、そう簡単に諦める訳がないだろう。あの人がそう簡単に死ぬはずないからな。どうやったらもとに戻るかとか、ちゃんと考えてるぞ」
「どうやったらって…」
それを考える気持ちは分かるし、俺だって散々考えたけど。
でも、誰よりシェルドニア王国の…そしてアシミムの手口を知っている華弦が、「洗脳を解く方法はない」と言っているのに。
俺達に…一体何が出来るって言うんだ?
「例えば、ルルシー先輩がルレイア先輩にキスをしてみたらどうだろう。何だかルレイア先輩っぽくていかにも…」
「お前っ…!ふざけるな!」
俺は思わず、ルリシヤの胸ぐらを掴んでいた。
この状況で、ふざけてる余裕が…!
しかし、ルリシヤは全く動じることなく、真顔でこちらを見つめていた。
「…俺は真面目に言ってるんだぞ。ルルシー先輩」
「…!」
俺はルリシヤから手を離した。
ルリシヤがこんなときふざける奴じゃないってことは、分かってるはずなのに。
もう、そうでもしないと他に方法がないのだ。
「…悪い。取り乱して…」
「気にするな。我ながら現実味の乏しい方法だとは思ってるが…。何もやらないよりはマシだろう。とにかく、ルレイア先輩をルティス帝国に連れて帰ることだ。連れて帰りさえすれば、どうとでもなる」
「…そうだな」
その為には、華弦の復讐に乗るのが一番の近道、ってことか。
少し考えれば分かるはずなのに、それすら分からないほど…切羽詰まっているらしいな、俺は。
「それにな、ルルシー先輩。俺は華弦に協力するつもりだが、みすみすルレイア先輩を利用させるつもりもないんだ」
「…は?」
「ようは、ミレド王を暗殺すれば良いんだろう?その目的さえ達成出来るのなら…先に俺達がルレイア先輩を取り返しても、問題ない訳だ」
ルリシヤは、さながらルレイアのごとく、にやりと笑った。
その笑みに、俺は味方ながらぞっとした。
酷い…酷い気分だった。
「…ルルシー先輩、大丈夫か。酷い顔だぞ」
「…そうだろうな」
酷い気分だからな。
「華弦に協力するのが、そんなに嫌か?」
「…別に…」
「彼女に協力するのは悪いことじゃない。基本的には、こちらにデメリットはないからな。ミレド王暗殺まで放っておけば、勝手にアシミムを無力化してくれるんだから」
「…その為にルレイアが利用されても?」
それすら、デメリットではないと?
俺が気に入らないのは、その点だ。
これ以上、何で俺のルレイアを貸してやらなければならない。
今すぐにでも返して欲しいと思っているのに。
「別に俺は、タダでルレイア先輩を貸してやるつもりはないぞ?」
「じゃあどうやって、賃貸料を取り立てるんだ」
「…ルルシー先輩、怒ってるな?さては」
…怒ってる、だと?
俺が怒ってる?そんなつもりは。
「それとも気にしてるのか?華弦に言われたことを。一度死んでしまった人格は戻らないという、あの言葉を」
「…!」
「…ふむ。図星らしいな」
…何が図星だ。
「…当たり前だろ。ルレイアが戻らないなんて…。洗脳されたまま…もう二度と生き返らないなんて…そんなこと、受け入れられる訳ないだろ!」
むしろ何でお前は、そんなに平然としていられるんだ。
俺には、とても理解が出来ない。
「うん。俺も受け入れてないぞ?」
「は?」
何を当たり前ことを、と言わんばかりに。
きょとんとして、ルリシヤはそう言った。
「俺がルレイア先輩を、そう簡単に諦める訳がないだろう。あの人がそう簡単に死ぬはずないからな。どうやったらもとに戻るかとか、ちゃんと考えてるぞ」
「どうやったらって…」
それを考える気持ちは分かるし、俺だって散々考えたけど。
でも、誰よりシェルドニア王国の…そしてアシミムの手口を知っている華弦が、「洗脳を解く方法はない」と言っているのに。
俺達に…一体何が出来るって言うんだ?
「例えば、ルルシー先輩がルレイア先輩にキスをしてみたらどうだろう。何だかルレイア先輩っぽくていかにも…」
「お前っ…!ふざけるな!」
俺は思わず、ルリシヤの胸ぐらを掴んでいた。
この状況で、ふざけてる余裕が…!
しかし、ルリシヤは全く動じることなく、真顔でこちらを見つめていた。
「…俺は真面目に言ってるんだぞ。ルルシー先輩」
「…!」
俺はルリシヤから手を離した。
ルリシヤがこんなときふざける奴じゃないってことは、分かってるはずなのに。
もう、そうでもしないと他に方法がないのだ。
「…悪い。取り乱して…」
「気にするな。我ながら現実味の乏しい方法だとは思ってるが…。何もやらないよりはマシだろう。とにかく、ルレイア先輩をルティス帝国に連れて帰ることだ。連れて帰りさえすれば、どうとでもなる」
「…そうだな」
その為には、華弦の復讐に乗るのが一番の近道、ってことか。
少し考えれば分かるはずなのに、それすら分からないほど…切羽詰まっているらしいな、俺は。
「それにな、ルルシー先輩。俺は華弦に協力するつもりだが、みすみすルレイア先輩を利用させるつもりもないんだ」
「…は?」
「ようは、ミレド王を暗殺すれば良いんだろう?その目的さえ達成出来るのなら…先に俺達がルレイア先輩を取り返しても、問題ない訳だ」
ルリシヤは、さながらルレイアのごとく、にやりと笑った。
その笑みに、俺は味方ながらぞっとした。


