The previous night of the world revolution4~I.D.~

自分で言うのもなんだが、

俺は、アシミムにとって非常に優秀な部下だった。

それもそうだろう。

ルレイアになる前…ルシファーだった頃の俺も、それなりには優秀だった。

少なくとも、帝国騎士団四番隊隊長になれる程度の実力はあった。

そしてその実力は、アシミムが最も必要とするものだった。

これまでアシミムを補佐していたのは、ルシードだった。

そしてルシードは、武力には優れていたけれど。

それ以外…要するに頭を使う分野に関しては、ルシードの得意とするところではなかった。

だから、俺が代わりに、そちらを担当した。

自慢ではないが、俺は昔から頭はそこそこに良かった。

一応、これでもルティス帝国最高峰の教育機関を、首席で卒業した身ゆえ。

それを活かして、俺はアシミムの求めるままに、彼女の手伝いをしていた。








「…そうですの…。わたくしの叔父は、相変わらず暴政を続けているようですわね」

「…はい」

アシミムは、俺に「ミレド王の動静を調べるように」と命じた。

だから、俺は持てる手段の全てを使って、秘密裏にミレドを調べた。

ミレド・トレギアスはシェルドニア王国の現国王であり、その国王について探ることは、国王に対する反逆に繋がる。

それは、俺も分かっている。

だが、俺が忠誠を誓っているのはアシミムであって、国王ではない。

だから、俺は躊躇いなく、アシミムの命令に従った。

さて…話を戻そう。

「…相変わらずですわね、叔父様は」

アシミムは、自分のことを棚に上げて、叔父に溜め息を漏らした。