ルレイアではない。
ルシードでもないし、ましてやアシミムでもない。
ヘールシュミット邸には、こんな手練れが…まだ潜んでいたのか。
まともな武器を持っていない状態で、こんな厄介な敵を相手にするのは…骨が折れそうだ。
何より、増援を呼ばれたらおしまいなのだ。
「くそっ…」
それでも、諦める訳にはいかない。
俺が囮になってでも、せめてルリシヤだけは逃がさなくては。
ルリシヤ一人なら、どうとでもするはずだ。
「…どうして、地下牢を抜け出したのです?」
てっきり、すぐに無線で増援を呼ぶものと思っていたが。
その警備兵はまず、俺達にそう尋ねてきた。
どうやって、ではない。
どうして、と来たか。
…すぐに増援を呼ぶつもりはないのか。
それとも、時間稼ぎのつもりなのか?
付き合ってやる必要はなかった。でも、言わずにはいられなかった。
どうして…なんて、決まってる。
「…ルレイアを助ける為だ」
「ルレイア・ティシェリーはもう死にました。あれは死人です」
「黙れ。俺はルレイアを助けると約束した。何度でも、何回でも助けると」
「それはあなたの自己満足です。彼はそんなことは望んでいません」
「それが何だって言うんだ?自己満足だろうが、ルレイアが望んでいなかろうが…俺はルレイアを助ける。それでルレイアに憎まれて、殺されても構わない」
何処までも利己的で、自分勝手。
俺がルレイアを助けたいのは、ルレイアの為だけじゃない。
俺の為でもあるのだ。
だから俺は諦めない。自分が殺されたとしても、ルレイアを助ける。
「…何故、そこまで彼に執着するのです。彼の代わりなんて、いくらでも…」
「いる訳ないだろ、そんなもの」
ルレイアはこの世に、一人だけしかいない。
「俺が自分の命と引き替えにでも守りたいのは、自分の命なんかより、世界中の全ての命なんかより大事なのは…ルレイアだけだ。代わりがいるなら、命の危険を冒してまで、こんなところまで来るはずがないだろうが」
「…」
「だから…お前が俺の前に立ち塞がるなら、俺が倒す。ルレイアを守る為なら、助ける為なら…地獄にでも、何処にでも堕ちてやる」
「…そうですか」
フードを被った警備兵は、静かにそう言った。
「あなたにも…そう思える人がいるのですね」
「…は?」
あなたにも?
「…ならば、私はあなた方に向ける刃を持ちません…。あなた方をここから逃がしてあげます」
「…何だと?」
俺は、ルリシヤと顔を見合わせた。
何らかの罠ではないか、と思ったのだ。
すると。
「…信じてもらえませんか。まぁ、当然ですね」
「…お前…アシミムの部下じゃないのか」
「身体はそうです。でも心は…あの女に囚われてはいません」
そう言って、警備兵は深く被っていたフードを外した。
その瞬間、俺は驚愕に目を見開いた。
その人物は、俺の知っている顔だった。
でも、どうして。彼女が…こんなところに?
「お前…!ルヴィアの…嫁?」
ルヴィアが愛してやまない、ルヴィア曰く「世界一可愛い嫁」。
フューニャ・クランチェスカと瓜二つの女性が、そこに立っていた。
ルシードでもないし、ましてやアシミムでもない。
ヘールシュミット邸には、こんな手練れが…まだ潜んでいたのか。
まともな武器を持っていない状態で、こんな厄介な敵を相手にするのは…骨が折れそうだ。
何より、増援を呼ばれたらおしまいなのだ。
「くそっ…」
それでも、諦める訳にはいかない。
俺が囮になってでも、せめてルリシヤだけは逃がさなくては。
ルリシヤ一人なら、どうとでもするはずだ。
「…どうして、地下牢を抜け出したのです?」
てっきり、すぐに無線で増援を呼ぶものと思っていたが。
その警備兵はまず、俺達にそう尋ねてきた。
どうやって、ではない。
どうして、と来たか。
…すぐに増援を呼ぶつもりはないのか。
それとも、時間稼ぎのつもりなのか?
付き合ってやる必要はなかった。でも、言わずにはいられなかった。
どうして…なんて、決まってる。
「…ルレイアを助ける為だ」
「ルレイア・ティシェリーはもう死にました。あれは死人です」
「黙れ。俺はルレイアを助けると約束した。何度でも、何回でも助けると」
「それはあなたの自己満足です。彼はそんなことは望んでいません」
「それが何だって言うんだ?自己満足だろうが、ルレイアが望んでいなかろうが…俺はルレイアを助ける。それでルレイアに憎まれて、殺されても構わない」
何処までも利己的で、自分勝手。
俺がルレイアを助けたいのは、ルレイアの為だけじゃない。
俺の為でもあるのだ。
だから俺は諦めない。自分が殺されたとしても、ルレイアを助ける。
「…何故、そこまで彼に執着するのです。彼の代わりなんて、いくらでも…」
「いる訳ないだろ、そんなもの」
ルレイアはこの世に、一人だけしかいない。
「俺が自分の命と引き替えにでも守りたいのは、自分の命なんかより、世界中の全ての命なんかより大事なのは…ルレイアだけだ。代わりがいるなら、命の危険を冒してまで、こんなところまで来るはずがないだろうが」
「…」
「だから…お前が俺の前に立ち塞がるなら、俺が倒す。ルレイアを守る為なら、助ける為なら…地獄にでも、何処にでも堕ちてやる」
「…そうですか」
フードを被った警備兵は、静かにそう言った。
「あなたにも…そう思える人がいるのですね」
「…は?」
あなたにも?
「…ならば、私はあなた方に向ける刃を持ちません…。あなた方をここから逃がしてあげます」
「…何だと?」
俺は、ルリシヤと顔を見合わせた。
何らかの罠ではないか、と思ったのだ。
すると。
「…信じてもらえませんか。まぁ、当然ですね」
「…お前…アシミムの部下じゃないのか」
「身体はそうです。でも心は…あの女に囚われてはいません」
そう言って、警備兵は深く被っていたフードを外した。
その瞬間、俺は驚愕に目を見開いた。
その人物は、俺の知っている顔だった。
でも、どうして。彼女が…こんなところに?
「お前…!ルヴィアの…嫁?」
ルヴィアが愛してやまない、ルヴィア曰く「世界一可愛い嫁」。
フューニャ・クランチェスカと瓜二つの女性が、そこに立っていた。


