The previous night of the world revolution4~I.D.~

俺とルシードの間に、何かが滑り込んだ。

そして、俺のナイフが宙に舞った。

割り込んできた誰かが、俺のナイフを弾き飛ばしたのだ。

俺は呆然と、その人物を見つめるしかなかった。

…これがもし、他の誰かだったなら。

割り込んできたのが、別の人物だったなら。

俺はこの介入を物ともせず、むしろ邪魔者が増えたとばかりに、こいつも切り殺して。

そして、改めてルシードを狙うつもりだった。

でも、出来なかった。

この男に刃を向けることだけは、どうしても、出来なかった。

…出来るはずがない。

だって。

「…ルレイア…」

…アリューシャが三桁の掛け算を暗算で解いた方が、まだ信じられる。

ルレイアが、俺に剣を向けている、

この…光景と比べたら。