The previous night of the world revolution4~I.D.~

妙にふりふりしたメイド服に身を包み。

黒髪ボブのカツラを被り。

ルリシヤの手によって、メイクまで施された俺は。

何とも言えない屈辱感に苛まれながら、憐れな自分の姿を鏡で見つめた。

…なんか、俺。

…何やってんだろうな?

いや、ルレイアを助けに来たのは分かってるんだが。

そういえばルレイアがルナニアだった頃、ランドエルスで女装した写真、送ってきてくれたっけ。

俺もあんな風に堂々としてたら、もう少し様になったんだろうに。

「ふぅ。似合うかルルシー先輩」

「あぁ…。お前は似合ってるよ…」

「そうか。ありがとう」

そこでどや顔が出来るお前が、心から羨ましいと思うよ。俺は。

ルリシヤの方が、十倍は様になってるな。

仮面じゃなくて伊達眼鏡でも、充分似合ってるよ。

それはともかく。

「着替えたなら、早く行こう。バレる前に…」

「ちょっと待て。その前に、これをつけるんだ」

「…何だ、それ」

「ん?胸パッド」

…。

…あのさ。

「…そこまでする必要、ある?」

「あるぞ、大いにある。女装というのは中途半端にやればやるほど、バレやすくなる。やるなら徹底的に、だ」

「…」

「ほら、これもルレイア先輩の為だ。頑張れ」

…別に良いよ。俺。

ルレイアの為なら、谷から飛び降りようと、煮えたぎるマグマに飛び込もうと、何でもするつもりだからさ。

それがルレイアの為になるなら。

胸パッドだってつけるよ。うん。

ルレイアの為だもんな。

なんか人として凄く大事なものを失ったような気が、しなくもないけど。

でもルレイアの為だから。何でも我慢するよ。