The previous night of the world revolution4~I.D.~

トラックが動き出してからも、俺達は段ボール箱に詰められたままだった。

手足が痺れ始めたので、俺は段ボールの限られたスペースの中で、少しでも手足を動かした。

いざというときに、身体が痺れて動けない、なんて間抜けは御免だ。

…30分、40分くらい乗っていただろうか。

やがて、トラックがヘールシュミット邸に辿り着いた。

荷物の積み降ろしが始まり、俺達は食料の段ボール箱に紛れて、トラックから降ろされた。

さて、ここからが勝負だ。

「ルルシー先輩」

「あぁ、今行く」

隙を突いて、俺達は段ボール箱から這い出した。

真っ暗な場所にずっといたせいで、いきなり日の光を浴びて、思わず目を細めてしまったが。

地味なストレッチのお陰か、手足の痺れもなく。

俺達は、こっそりとヘールシュミット邸に潜入した。

潜入して、まず最初にやることと言えば。

「…さぁルルシー先輩、お待ちかねの時間だぞ」

「…何でわくわくしてんだよ、お前…」

そんなに、メイド服着たかったのか?

「問題は仮面をつけられないことだな…。残念だ。素顔は見せられないから、フレームの厚い伊達眼鏡で妥協しよう」

「別に素顔で良いじゃないか。俺は気にしないぞ」

「ルルシー先輩。もしルレイア先輩が、『俺は白い服でも気にしませんから』とか言って、全身真っ白な服着てたらどう思う?」

「気が狂ったのかなと思う」

「そういうことだ」

そうか。そりゃ済まんかった。

白い服着てるルレイアなんて、最早不気味に感じるレベルだからな。

「よし、それじゃ早いところ着替えよう」

「あぁ…分かったよ」

気は進まないが、仕方ない。

これを着ないとルレイアを救えないのなら、喜んで着よう。