その後、俺とシュノさんは、ルルシー達へのお土産にチョコレート専門店で量り売りのチョコレートを購入した。

…さてと、ここいらが正念場だな。

「シュノさん、少し疲れませんか?ちょっとそこのホテルで休みません?」

万人をメロメロにする蠱惑の微笑みと共に、シュノさんを誘ってみた。

シュノさんは素直に、こくり、と頷いてくれた。

よしよし。良い感じだぞ。

ルルシーがこの場にいたら、ひっぱたかれていたかもしれない。

ホテルに行ったからって、えっちぃことするとは限らないのにな。本当にちょっと休憩するだけかもしれないじゃん。

す~ぐそっちの方向に結びつける。ルルシーったらえっちなんだから。

それはともかく、シュノさんが了承してくれたので、俺は行きつけのホテルに向かった。

勿論、『青薔薇連合会』の息がかかったホテルだ。

予約もしていないのに、エントランスに入った途端に、ホテルの支配人が現れて深々とお辞儀をした。

そして、何も言っていないのに、そのままスイートなお部屋に通された。

夜になれば、大きな窓から夜景を一望出来る素晴らしい部屋ではあるが。

夜にはまだ早い時間なので、残念ながら夜景は楽しめない。

が、さすがに帝都一等地にある高級ホテル。昼間とはいえ、眺めは最高だった。

部屋の内装も、高級感溢れるシックなインテリアにまとめられていた。

一般人が来たら、ここは宮殿か、と溜め息をつくことだろう。

俺にとっては…いつものお部屋なのだが。

「シュノさん…何か飲みます?」

「ううん…大丈夫」

シュノさんは首を振って、スプリングの効いた大きなベッドに腰を下ろした。

いつもなら、部屋に入った10分後には、お楽しみが開始されているのだが…。

今日ばかりは、そうは行かない。

何せ、相手はシュノさんだからな。

女の子とホテルに入ったら、すぐにやることやっちゃう男だと思っただろう?

そんなことはないぞ。俺は分別のある、大人な男だからな。

…と、思っていたら。

「…ねぇ、ルレイア」

「はい?」

「…しないの?」

…わぉ。

まさか、シュノさんの方から誘ってくれるとは思わなかったぞ。