20分ほどたった後。

「ルヴィアさん」

「あぁ、フューニャ…。大丈夫か?」

マフィアの本部なんて、俺にとってはいつもの職場だが、フューニャにとっては物騒な場所に違いない。

知らない人に迎えに来られて、内心怯えていたのだろう。

フューニャは俺の顔を見て、ホッとしたように駆け寄ってきた。

そして。

「あら、ヴァルタ…?何故、あなたがここに?」

同郷の人間がいることに気づいて、ヴァルタに声をかけた。

「ルアリスに頼まれて、『青薔薇連合会』を助けに来たんだ。人手は多い方が良いと思ってね」

「そうだったの…。丁度良かった。あなたにも聞いて欲しい」

ヴァルタにも?

「どういうことだ?フューニャ」

「メッセージを再生してみたら、一言だけ、箱庭帝国の古い言語が出てきたんです。聞き間違いかと思ったんですけど…。やっぱりそうとしか聞こえなくて」

そういうことか。

なら、確かにヴァルタにも聞いてもらった方が良いな。

「分かった。まず…再生してみてくれ」

「はい…。音声、小さいので耳を澄ませて聞いてください」

そう言って、フューニャは音声メッセージを再生してくれた。