The previous night of the world revolution4~I.D.~

「主よ。ただいま戻りました」

「お帰りなさい、ルシード。よく帰ってきてくれましたわ」

部屋の中にいたのは、金髪縦ロールの、お嬢様然とした女性だった。

その女性の前に、ルシードは跪いた。

…ふむ。

「久し振りですわね。またあなたの顔が見られて嬉しいですわ」

「は…。ありがとうございます」

「それで…?その方々が、ルティス帝国のお客様ですの?」

「はい」

「そうですか。お初にお目にかかりますわ」

その女性は、こちらを向いてにこりと微笑んだ。

ちなみに、俺達に合わせてか、ルティス語だった。

…うん。

こいつが…首謀者ってことか?

見たところ、戦闘能力があるようには見えないが…。

それよりも、俺はどうしても気になることがある。

「お客様方におかれましては、色々と聞きたいことがおありでしょうけど…。まず一つずつ片付けていくとしましょうか」

「…えぇ。早速一つ、どうしても聞きたいことがあるんですが…良いですか?」

「どうぞ。何でも答えますわよ」

そりゃ良かった。

じゃ、遠慮なく。

「あなた、その年齢で、ですわ系金髪縦ロールお嬢様キャラって、恥ずかしくないんですか?」

「…」

「…」

「…」

ルルシーも、ルシードも、ルシードのご主人様も無言。

しかし、ルリシヤだけは同意してくれた。

「奇遇だなルレイア先輩。俺も同じこと思ったぞ」

だよね。思うよねそれ。

超若作りしてるけど、これ結構良い年だよ。

俺の女を見る目は本物だからな。そのくらいは分かる。

「こらっ!ルレイア!失礼だろうが!」

我に返ったルルシーに、叱られてしまった。

更に、主を侮辱されて、ルシードまでもが瞳に殺意を宿していた。

皆、ちょっと短気過ぎやしないか?

すると、お嬢様は、

「…随分と余裕がおありですわね。自分の立場が分かっているのかしら」

明らかに、怒っていた。

声がちょっと震えてるぞ。

なんとまぁ、器の小さい女だことだ。

「そっちこそ、自分の立場が分かってるんですか?俺は命乞いなんてしませんよ。こんなド田舎の、悪趣味な異国に連れてこられて、イラついてるのはこっちなんですよ」

しかも、船の中では散々酷い目に遭わされた。

今だって、まだ頭が痛いのに。

誰も彼もがお嬢様扱いしてくれると思うなよ。

俺は基本的に、女をお嬢様扱いすることなんてない人間だからな。

「…そんな口が利けるのは、今のうちですわ」

「じゃあさっさと用件を言って、こんな口を利けなくしてみれば良い。俺達を騙してまで、こんなド田舎に連れてきたのは何故です?あなたは、俺達に何をさせたいんですか」

「…」

ルシードのご主人様は、ゆっくりと口を開いた。

「…わたくしの名は、アシミム。アシミム・ヘールシュミット。わたくしがあなた方を呼んだのは…シェルドニア王国の国王を、暗殺してもらう為ですわ」