The previous night of the world revolution4~I.D.~

看守様のこめかみに、見事な血管が浮き出したところで。

相変わらず、俺達は奴らに分からない言葉で話を続けた。

「しかし、ルレイア先輩。わざわざ武器の話をしてくるということは…これから会う首謀者とやらを、殺すつもりなのか?」

「うーん…。どうしましょう?」

「首謀者とルシードを殺したとしても、俺達がルティス帝国に帰れる保証はない」

それは無論、分かっている。

そもそも首謀者が一人だけとは限らないのだ。

もし一人だけだったとしても…ルシードの言う通り。

この国は、俺達の味方ではない。

大使館に泣きついて、帰らせてもらえれば良いが。

こんな狂った船を造り上げるほどの財力と権力を持った「首謀者」とやらが、そう簡単に俺達を帰してくれるとは思えない。

「首謀者を殺すことで、少しでも優位に働くなら…そのときは殺しましょう」

「さて、問題はそれが出来るかだな」

「あのルシードが傍で護衛してたら難しそうですね。あいつは強そうです」

「こちらには、まともな装備がないからな…。せめて得物が分かれば対策の立てようが…」

と、ルリシヤが言いかけたところ。

ぶちギレた看守様が、威嚇するように防弾ガラスを殴った。

「黙れと言ってるだろう!」

「…対策の立てようがあるんだけどな。あいつ、得物は何だろうな?」

「さぁ…。見たところ、目立った武器は持っていませんでしたが…。シェルドニア王国の武器だったら、相手するのも大変ですね」

気にせず、お喋りを続けることにした俺達である。

どうせ防弾ガラスのせいで、向こうはこちらに手出し出来ないんだし。

吠えたきゃ好きに吠えてくれ。わおーん。

「まぁ、いくらルシードがフル武装してても、俺達三人がかりなら勝てると思いますけど」

「分かった。じゃあそのときになったら、ルレイア先輩が合図してくれ」

「了解です。それと…あの約束、忘れてませんよね?」

「…」

…あの約束、とはつまり。

言わずもがな…。

「…あぁ、勿論覚えている。約束を守らずに済むことを祈ってるよ」

「えぇ。俺も祈ってます」

俺だって、ルルシーを残して死にたくはないからな。