The previous night of the world revolution4~I.D.~

「ようやく入港ですか…。頭おかしいレベルで長い旅でしたね」

「全くだな」

こんな誰もが憧れる豪華客船に乗ってるのにさ。

奴隷船と同じだよ。こんなの。

吐き気しそう。

「さて、このシェルドニア王国に、一体何が待ち受けているのか…」

何が待ち受けているにしても、絶対ろくなものではない…。

と、思っていたら。

「間もなく入港だ。客室で待機していてくれ」

地獄の獄吏、ルシードが無遠慮に部屋に入ってきた。

げ。

「何ですかあなたは…」

「それから、貴殿らにはこれをつけてもらう」

「あ?」

ルシードは、ご丁寧に手錠を三つ持ってきた。

何それ。何かのプレイ?

「高い金払って船に乗ったのに、お客様どころか、囚人待遇とは…。それともシェルドニア王国には、客人は手錠かけてもてなせ、っていう文化でもあるんですか?」

「今回の船旅の費用については、後でこちらが負担する」

「負担しなくて良いんで、さっさと死んでくれませんかね?あなた」

「…」

あぁ、嫌だ嫌だ。また口が悪くなってきた。

でも、これは良い傾向だ。

実にルレイアらしい。

ルシードは俺達に、順番に手錠をかけた。

「…なんか玩具のような手錠だな。外せるぞ、こんなの簡単に」

ルリシヤは、かくん、かくん、と関節を動かして、

するっ、と手錠を外した。

…嵌められて10秒足らずで、手錠を外す男。ルリシヤ。

「ルリシヤが外せるなら俺も行けますね。よいしょっと」

俺もルリシヤと同じことをする。

ルリシヤよりちょっと時間がかかったが、あっさりと外れた。

「お前らな…。外したい気持ちは分かるが…」

ジト目のルルシー。

ルルシーも外せば良いのに。

ちなみにルシードは、あっさりと手錠を外す俺達を、厳しい目で睨んでいた。

睨む暇があったら、爆弾つきの手錠くらい用意しろよ。馬鹿か。

「と、この通り俺達に手錠は無意味ですけど。それでも嵌めときます?この玩具」

ぷらん、と外れた手錠を見せてやると、ルシードは小さく嘆息した。

「…分かった。手錠は外しても良い。ただ…この国が貴殿らにとって、敵国であることを忘れるな」

手錠を外そうが、逃げられないし、逆らっても敵わないんだからやめとけよ、と。

そんなこと、脅されるまでもなく分かっている。

「で?俺達は何処に連れていかれるんです」

「俺の主のもとに」

早速、ラスボスとご対面かよ。

回りくどくなくて、良いじゃないか。