「…ルレイアと…連絡が…?」

「君達が仕組んだ罠じゃないの?」

…ようやく、状況が読めた。

オルタンスが、クリスマスプレゼントと称してシェルドニア王国の豪華客船?とやらの旅を、ルレイアにプレゼントし。

その旅行に行ったきり、ルレイアと連絡が取れなくなった。

それでこいつらは、この旅行が…オルタンスの仕組んだ罠ではないか?と思って。

こうして、徒党を組んで攻めてきたのだ。

話は分かった。

そして、オルタンスならやりかねない、と思った。

最近は、ルレイアが好きだの初恋だのとほざいていたが。

忘れてはいけない。こいつはルレイアを…ルシファーを、帝国騎士団から追い出した張本人なのだ。

良くも悪くも他人の痛みが分からないこいつなら…ルレイアを罠にかけることも出来るだろう。

だが…もしそうだとしたら。

「…お前、今度はもう許さんぞ」

ルシファーに冤罪を着せて、俺達を騙して、帝国騎士団から追い出したあの一件だって…俺はまだ許していないのに。

またあいつの人生を弄んで、今度は命まで奪ったとなれば。

帝国騎士として。何より人として…俺はこの男を許さない。

しかし。

「…どうやら俺は、酷い誤解をされているようだな」

オルタンスは、頬杖をついてそう言った。

誤解だと?

「…弁明があるなら聞こう」

「俺は確かにルレイアに、クリスマスプレゼントを送った。旅行券を」

クリスマスプレゼントを送ったのは事実なのか。

その時点で、何をやってんだ、とは思うが。

「だが俺が送ったのは、シェルドニア王国の豪華客船の旅じゃない。帝都にあるテーマパークの2day貸し切り券だ」

「…」

「三人まで有効のな」

「…」

…は?

お前…本当、何やってんの?

これには、殴り込みに来た『青薔薇連合会』の幹部二人も、唖然としていた。