The previous night of the world revolution4~I.D.~

フューニャの占い、いつも凄いと思ってたけど…まさかそんな不思議な一族(?)の出身だったとは。

「そんな君に占ってもらえるなら、それは有力な情報になり得ると思ってね」

「…期待して頂いているところ、申し訳ないですが…。占いは、あくまで占いです。100%確定の未来予知ではありませんよ?」

と、フューニャ。

「それは分かってる。だから、君の占いだけを過信するつもりはないよ。ただ、情報の一つとして聞きたいだけだ」

「…それから、今この場でルルシーさん達を占うのは難しいですよ。彼らは今、とても遠くにいるんですよね?新鮮な『素材』がないと、占いの精度も落ちますから…」

「うん、そうだろうね…。だからルルシー達は占わなくて良い。代わりに、私や…ここにいるアリューシャやシュノを占って欲しい。私達は未来でどうしてる?ルルシー達と一緒にいるかい?」

「…成程。その手がありますか」

ルルシーさん達が占えないなら、アイズさんを占えば良い。

成程、そういうことか。

「そんなにすげぇ占いなの?」

「すげぇ占いだよ、アリューシャ」

「マジ?その占いしたら、アリューシャの嫌いな食べ物とかも分かるの?」

「勿論分かります」

自信たっぷりに答えるフューニャ。

そうなの?

「だから、ルヴィアさんの嫌いなアスパラガスも、見て分かる形では出していませんよ」

「…!そうだったのか…」

知らなかった。

フューニャがそんな気遣いをしてくれていたとは…。

ってか嫌いな食べ物バレてたのか。

いや、食べられない訳じゃないんだけど、青臭くてあまり好きじゃない。

「じゃあ…頼めるかな?占い」

「えぇ、構いません。では、まず…占いの精度を上げる為に、『素材』を提供して頂けますか?」

「『素材』?」

「はい。いつもルヴィアさんから採取しているような、新鮮な『素材』が必要です。占いの精度が上がります」

「成程、分かった」

…あの、フューニャさん。

いつも、俺から何を採取してるんですか?

全く覚えがないんだが…?

「何を提供すれば良いの?」

「一番良いのは骨と肉なんですが…。それはさすがに難しいので、髪の毛と…あと血液を少々頂いても?」

「分かった」

血と…髪の毛?

髪の毛は分かるけど。枕とかに常に引っ掛かってると思うけど。

「…なぁ、フューニャ」

「何です、ルヴィアさん」

「その…俺の…血、こっそり…採取してたりする…?」

「…」

フューニャは、じっとこちらを見て。

それから、すっ…と目を逸らした。

…。

…肉と…骨、採取されてないだけマシだと思おう。