雨が徐々に砂埃を沈め、ダムの外側の様子が分かり始めた。


ダムの外側に積んだ岩に土砂を被せ、ダムと変わらない高さの土嚢が出来上がっていた。

更に、ダムの崩壊した部分に裏と表から岩石を積み上げ、水の流出量が少なくなる様に補修が済んでいた!!


「は…ははは。
もう動けねえ…」

俺はその場に、大の字に横たわった。全ての力を出し尽くし、身体を起こす事さえ出来なかった。

だが…
この降り続く雨も、天気予報では今夜には止む。これで、何とか持ちこたえる事が出来るだろう。


俺の元に、フラフラしながら宮本が歩いて来た。

「さあ帰ろうか…」

「帰る力があるのかよ」

「うん。帰るくらいの体力は回復したよ」


そこに、桐山がゆっくりと歩いて来て、俺と宮本の肩に手を置いて言った。

「2人共…まあ、私の次くらいに頑張ったよね」

「ああん?」

「はははは…」


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