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矢木沢ダムに着くと既にダムは限界で、山から地鳴りが聞こえていた。

俺達は直ぐに同じ様に行動したが、時間が遅れた分だけ水圧がダムに与えた影響は大きく、例え放水を続けたとしても耐えられるのかどうかは疑問だった。



「どうする?
このままだと、決壊するかも知れないぞ…」

豪雨の中、ダムの上かすぐ下の湖面を見下ろした。

「どうすると言っても、雨を止める事なんて不可能だし…」


まだ、相模川の宮ヶ瀬ダムが残っている。ここで時間を費やせば費やす程、ダム決壊のリスクは高まる…

「そうだ!!
この湖の水を桐山が凍らせて、それを宮本が海にでも移動させてしまえば良いんじゃないか?」

「はあ?
それは確かに、凍らせる事くらいは出来るけど…美空の負担が大き過ぎるよ。

私や真宮君と違って、美空の場合はより高度な力だから、疲労の蓄積度合いが全く違うのよ」


桐山の視線の先を見ると、明らかに疲れた表情の宮本がいた。


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