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バスには乗れたものの満員で、乗車口のステップに無理矢理入れられた挙げ句、通常30分で到着する筈がなのに1時間半もかかった。

もう10月だというのに全身に膜を張る様に汗をかき、帰宅した時には疲れ果てていた。



「おお、無事だったのかい」

引戸の扉を開けると玄関に祖母が座っていて、俺の姿を見た瞬間に安堵の笑みを浮かべた。

「うん。まだ駅にも着いていなかったから、何ともなかったよ」


自宅は街外れの農地が多い地域で、我が家も兼業農家だった。

両親は共働きで、19時を過ぎないと帰宅しない為、物心がついた時から祖母が農業をしながら、俺の面倒をみていた。

その為、両親に反抗的は俺も、祖母にだけは心を開いて接している。何より、優しい祖母が大好きだし…



居間に行き鞄を適当に投げると、直ぐにテレビをつけた。

テレビはどこのチャンネルも、あの家電量販店で見た列車事故の報道の続きだったが、少しだけ内容が変わっていた。


「8ヶ所…?」


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