その夜――
関東地方は夕方から降り始めた雨が徐々に激しくなり、本格的な雨になった。
特に山沿いは、南からの流れて来る雨雲が山にぶつかり雨を降らす為、局地的に1時間に50ミリを超える豪雨となった。
その雨は朝になっても止まず、益々激しさを増していった。
「最悪の事態になるかも知れない…」
10時前に集合した作戦本部で、パソコンを開いた桐山が声を震わせながら呟いた。
「何が?」
「これだけ雨が降っているのに、川の水位が上がっていないのよ」
「どういう意味だよ?」
「ダム…ね」
珍しく宮本が口を開いた。
そうか!!
川の上流にあるダムが、殆ど放水していないんだ。
昨日雨が降る前に確認した時、関東地方にあるダムの貯水率を確認した時は、大半のダムが80%を超えていた。
と言うことは、今回の雨で――
「まさか…
次の狙いはダムなのか?
もし今ダムが決壊する様な事があれば、すぐ下流の河川敷には何百万人という人々が…」
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