俺は学校は好きじゃない。どちらかと言えば…いや、思い切り嫌いだと断言できる。それに、確かにうちの学校は県立の二流高校だ。

だが――


「ああん?
なに人を見下した様な事を言ってんだ!!
何様のつもりだ!!」

面と向かって言われれば、そりゃ当然頭にもくる。


そこに、ちょうど5番乗り場にバスが入って来た。

「あら、非常識な人でも人並の愛校心はお持ちなのかしら?
では、私はバスが参りましたので、これにて…」

「いちいちムカつく女だな!!」


その女子高生はバスに乗りながら顔だけ振り向くと、明らかな作り笑顔で言った。

「私はフェディリーヌ女学園高校の生徒会長、桐山穂波です。何か言いたい事がおありならば、いつでもいらして下さい。

では、御機嫌よう」

「ちょ、ちょっと待て!!まだ話が――…」


そう言い掛けた時、8番乗り場に俺の自宅方面行きのバスが入って来た。

「くそ…」

俺は人波を掻き分けながら、8番乗り場に向かって急いだ。


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