翌日――

既に世間は、学校だの仕事だの言っている状況ではなかった。


大人達はライフラインを復旧させる為、総出で道路や水道管の修理を行い、子供達は自宅で待機となった、

その為、街には人の姿は殆どなく、閑散としていた。


俺は祖母の葬儀を済ませると、宮本に連絡を取り、作戦本部まで連れて行ってもらった。

俺がようやく到着した時、テレビで報道を見ていた桐山が手にしていたコップを落とした。


「何やってんだ、御嬢様がはしたないんじゃないか?」

俺が畳の上に転がったコップを拾おうと手を伸ばすと、桐山がその手を掴んだ。

「こ、これ…」

「ん?」


桐山が指差す方向を見ると、テレビ画面にまるで戦場の様な光景が映し出されていた。

それは有り得ない光景だった。確かに過去に見た事はあったが、それが街中で起こるなど、まず例を見ない事だ。


俺達は言葉を失い、自分達に出来る事など無に等しいと感じてしまった…


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