「出来るの?」
「分からないけど…」
祖母を抱いた俺を目の前にして、ギターを背中に担いだ状態で目を閉じた。
「もっと強く、行きたい場所をイメージしてくれる?」
「こう?」
突然ピンク色の透き通った直径3メートル程の球体が、俺達を包み込んだ。
「行くよ!!」
そしてそう声が聞こえた瞬間、目に見える景色に焦点が合わなくなり、次に白く輝いて何も見えなくなった――
「良いよ」
徐々に目が慣れてきて、周囲の景色が分かってきた。
稲刈りが終わった田んぼに、舗装されていない畦道。それに、見慣れた立て付けの悪い玄関の扉…
「俺の家…」
「ごめん。目を閉じる様に言うの忘れてた」
「いや大丈夫…」
信じられない。
本当に一瞬で家に着くなんて、凄い力だ。
「いかにも、庶民の家って感じですわね」
なぜお前が一緒に来てるんだ!!
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