掴んだ祖母の手は、既に冷たくなっていた。
今にも消え入りそうな祖母が怖くて震える声を、懸命に平静を保つ様に抑えた。
「だ、大丈夫だよ。大した怪我じゃないから。
大丈夫だよ。大丈夫…」
祖母の背中には、水道管が破裂した時に飛び散ったと思われる、両手では足りない程の大きさの金属片が突き刺さっていた。
多分、最初に破裂した時、ビルの壁に跳ね返り刺さったのだろう。
俺に皆を助けに行けと言った時、既に背中にはこの金属片が刺さっていた筈だ。
この金属片を抜くと、血が噴き出してしまうに違いない。
俺には抜けない。
でも、このままだと…
「だ、大地…
よ、余計な事はしなくて良いからね。
自分の身体の事は…じ、自分が一番よく分かるから…」
「祖母ちゃん!!」
祖母は再び、最後の力を振り絞る様に笑った。
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