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俺は勢い良く飛び出したものの、道路の真ん中で成す術も無く立ち尽くした。

その間にも限界を超えた水道管が、車が停まっている道路で、人々が退避している歩道で、逃げ込んだビルの中でと、次々と破裂した。



助けるって、一体どうやって?
逃げるって、一体どこに?

吹き出した水が霧状になり顔に降り注いでも、俺には全くどうする事も出来ない。

無力だ…
俺は余りにも無力だ。


「うわぁ――――!!」

絶望と自己嫌悪に陥り、悔しさの余りに声を上げた時、突然目の前から吹き上げていた水が止まった。

なんだ…
一体どうなったんだ?



よく見ると、吹き出していた全ての水が、そのままの状態で凍りついている…

更に、周囲から吹き出していた水も全て凍り、地鳴りも振動もいつの間にか止んでいた。


状況が全く分からない俺の耳に、聞き覚えのある嫌な声が聞こえてきた。

「皆様、もう大丈夫ですわよ!!」


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