M ‐ёмц‐


「祖母ちゃん…」

「ほれ早く!!」

「…――分かった!!」



俺は立ち上がると、周囲を見渡した。

確かにまだ振動は続いているし、隆起している箇所は今にも破裂しそうになっている。


どうする事も出来ず立ち尽くす人達や、取り囲むビルの壁に身を寄せる人達…

それに車から出る事すら出来ず助けを求める人達や、ビルの中から逃げ出して来た人達が、見える範囲だけでもざっと200人はいる。


この人達を、どこに避難させれば良いんだ?


その時――

今度は向い側の歩道が轟音と共に破裂し、大量の水が吹き出した!!

周囲の人が巻き込まれ、数人が道路まで吹き飛んだ。


水……?
まさか、これは水道管が破裂しているのか!!

なぜ水道管が破裂する程の大量の水が、流れているんだ?


だが水道管だとすれば、逃げる場所なんてここには在りはしない。

どうすれば――


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