翌日――
俺が目を覚まして階段を下りると、既に共稼ぎの両親は出勤した後で、冷めた朝食がテーブルの上に置いてあった。
その御飯を電子レンジで温め直し、遅い朝食を済ませようとしていると、祖母が台所に入って来た。
「おはよう。
祖母ちゃん、もう腰は大丈夫なのか?」
「ああ、だいぶ善くなったよ」
祖母の姿を見ると、なぜか農作業をする服ではなく、外出用の服を着ている。
「祖母ちゃん、どこか行くの?」
「ちょっと街中の病院に、定期検診に行くんだよ」
「定期検診…」
こんな危険な状況の中を、しかも腰を痛めている祖母を1人で行かせる訳にはいかない。
「今日は学校が休みだし、俺が一緒に行くよ」
「1人で大丈夫だよ」
「ははは、本当は俺が暇で仕方ないんだよ。
ちょっとそこで待っててよ、直ぐに着替えて来るから」
俺は猛スピードで階段を駆け上がると、急いで服を着替えた。
「おっと、これも持って行かないと」
鞄に入れておいた紫水晶を取り出すと、携帯電話と一緒にシャツの胸ポケットに入れた。
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