「来た来た。
じゃあなオババ……ん?」
オババが俺の左側を見て、動きを一瞬止めた。
その視線の先を見ると、空中にグリンが浮かんでいた。
「ふむ…
心ならずも、大変な事に巻き込まれておるようじゃな。
覚えておくが良い。
常に選択肢は無限大じゃ。じゃが、それを決めるのはオヌシ自身じゃ。
例えそれが、どんな結果を導いたとしても…」
俺はバスに乗り込むと、中からオババに手を振った。
「なあ…
オババには、グリンが見えていたのか? 」
(そんな事は有り得ない。僕達が選んだ人間以外には、絶対に見る事は出来ない)
「そう…か」
俺はやけに乗客が少ない車内の椅子に適当に座ると、オババの事を思い返していた。
あの視線…
どう考えても、オババにはグリンが見えていたとしか思えないんだけどな。
選択肢?
一体何の事を言っているんだ?
それにしても、昨日から妙な事が立て続けに起きる。この街に、それに俺自身にも――
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