信号は何もなかったかの様に黄色になり、やがて赤に変わった。
全ての信号が青になっていた時間は、ほんの数分…いや、数十秒だったのかも知れない。
それなのに、この有り様はどうだ?
交差点は警察により封鎖されているが、救急車もレスキュー隊も来る気配がない。
それだけ、同様の事故が発生しているという事なのだろう。
「グリン、さっきのは一体何だ?」
(………分からない)
やはり昨日の事故もこの事故も、同時多発テロなのか?
いやしかし…
こんな地方都市の、交差点で交通事故を起こさせるテロに、一体何の意味があるというのだ。
何かが起きている。それだけは間違いない。だが、ただの高校生に過ぎない俺には関係ない話だ。
「早く帰ろう…」
再び横断歩道を渡り、直ぐ目の前にある駅に向かおうとした時――
野次馬のざわめきと風の音に紛れ、この場に似つかわしくないものが聞こえてきた。
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