M ‐ёмц‐


「実は、時間が無かったのは僕の方なのです」

「え?」


Mは目を閉じて、ゆっくりと話した。

「僕は人の手により作られた、人間であって人間ではない者です。

遺伝子操作と特殊な教育により、IQ2500を維持してきましたが所詮は不完全体です。

それだけ脳を使用するという事は、常人の数十倍というスピードで細胞が活動しているという事を意味しています。

つかり、僕の身体は既に100歳を超えています。もう限界なのです…


でも、最後に地球が正常に近付いた状態を見る事が出来て、本当に良かった」


俺はMに何か声を掛けようとしたが、何も思い浮かばず、ただ立ち尽くすだけだった。

そしてMは、そこまで話すとクルリと車椅子の向きを変え、再び奥の部屋へと走らせた。


しかし、ちょうど扉の所で車椅子を止め、その場で振り向いた。


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