穂波も美空も、覚悟を決めたのか…

確かに、2人が生命を捧げれば数十億人の人々が救われる。その選択は、間違っていない様に感じる。

それしか方法は無いのだから、止むを得ない代償だ。


だけど、本当にそれで良いのか?

他人の犠牲の上に成り立つ生が、本当に許される事なのだろうか…



俺は2人の言葉を聞いてもなお、決断する事が出来ずにいた。

その間にも時間は刻々と進み、残り時間は2分を切ってしまった。


「大地早く!!」

「早くしないと、タイムリミットきてしまうよ!!」


分かってる。
そんな事は分かっているけど、でも――


どうすれば良いんだ?

2人を犠牲にして、人類を滅亡の危機から救うのか?

現実的には、そうするしかない事は理解出来る。でも、本当にそこまでして生き残らなければならないのか?



残り時間は1分を切った。


59、58、57、56…


時間は見る間に少なくなっていく。


30、29、28、27…


「大地!!」
「早く!!」

分かっている。
そんな事は分かってる!!
それでも、やっぱり俺には――



「分からない!!」


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