<最後の課題です。


真宮 大地さん…
貴方が、残りの2人を殺して下さい。

簡単な作業でしょう。貴方の力で、2人の首を折れば良いだけの事です。

残り時間は、もう5分を切りましたよ>


「馬鹿な…
そんな事が俺に出来る筈がない!!」

俺は最後の課題を聞いて、頭を抱えて床に伏せた。


2人を殺す?
そんな事が、俺に出来る筈がない。


「大地…」

穂波が背後から、俺に声を掛けてきた。

「早くやりなさいよ。そうするしかないなら、やるしかないでしょ」

「そうだよ…」

美空が穂波の肩に手を掛け、身体を起こした。

「もう4分もないんだから、悩んでないで…ね。

私も穂波も、大地を恨んだりしないから。それよりも、私達の生命で人類が助かるならば、これ程嬉しい事はないし」


2人は俺に勇気を与える様に、覚悟を決め明るく微笑んだ。


きっとこの時の俺は、本当に情けない表情をしていたのだろう…


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