――…
私は美空と一緒に洞窟の外に出た。
木々の隙間から僅かに見える空が、いつもと違い悲しく見える。
北極海の氷を元に戻すなんて事が、私に出来るとは思えない…
でも可能性があるのは、私しかいない。
私は大きく深呼吸して揺れる心を鎮めると、決意を固めた。
「美空、お願い…」
「分かった」
美空と私は面と向かうと、思わず抱き合った。
ほんの1週間程前に出会ったばかりなのに、人類の未来を賭けて一緒に行動しているなんて…
「美空には、本当に色んな事を教えてもらった。
勉強だけ出来れば良いと思っていたけど、違ってた。一番大切な事は、授業や教科書では教えない、強い思いなんだね…」
「穂波…」
私と美空は互いに強く手を握ると、空を見上げた。
「行こう」
「うん」
私達2人は、北極海へと向かった――
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