「北極海の氷を元に戻す…


そ、そんな事は無理だ!!
一体どれだけの広さがあると思うんだ?

湖の水を凍らせただけで気を失ったのに、そんな事が出来る筈が――」
「大地、やるしかないのよ」

穂波が俺の肩に手を置くと、今まで見せた事もない様な温かい笑顔を見せた。


「大丈夫。
必ずやり遂げてみせるから、大地はここで待っていて」

「穂波お前…」


穂波は振り返ると、美空の方にゆっくりと歩いて行った。

「美空、北極に連れて行って」

「う、うん…」


<貴方達の行動は、偵察衛星でこちらのモニターに映す様にするから>



「行ってくる」

そう言い残すと、穂波と美空は部屋の外に出た。


俺にはその後ろ姿を見送るしかなく、2人が無事に揃って帰ってくる事を祈るしかなかった…


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