予想通り、電車が動かない為にバスは超満員だった。

強引に乗り込んだが、昨日と同じ様にステップに乗るはめになってしまった。


大半の乗客は、学校と同じ街の中心部に向かう学生や社会人で、途中で降りる人も殆どなく最後までステップだった。

「ふぅ…もう朝からヨレヨレだ。これじゃ勉強なんか、到底無理だなあ」

まあ、基本的に毎日行っているだけだから、どうでも良いんだけど。


(勉強……か。もう意味が無いから、する必要はないよ)

グリンが俺の真横を飛びながら、気持ちよく言い切った。どういう意味なのかは分からないが、その意見には大賛成だ。



バス停から歩き初めて5分程で、中央高校の校門に辿り着いた。大して早くもない時間だが、いつもよりも随分と生徒が少ない様に感じる。

俺は校門を抜け正面にある校舎に入り、3階にある3年2組の教室に向かった。

やはり、階段を上がる生徒もやけに少ない。気のせいではなく、登校してきている生徒の絶対数が少ないのだ。


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