M計画とは、旧通産省時代考案された…

スーパーコンピューターよりも優れている人間の脳を最大限に活用し、日々発展する高度情報化社会に対応する…

という計画でした。当初のMが意味していたのは、modemのMだったのです。


我々はM計画を実行する為に、より高度な頭脳を持つ人間を必要としていました。

ですから、遺伝子操作によりIQの高い人間を作る事から始めました。

通常IQは100前後。天才と言われる人でも、せいぜい200です。我々はそれを、2500まで引き上げる事に成功したのです」


「2500…それって、本物の怪物では――」
「そうです。
ですが、我々はその危険性など微塵も感じておらず、実験が成功した事だけを喜んでいました。

Mはまだ生まれたばかりの赤ん坊でしたから、我々は知識を与えながら育てていく事にしたのです。


しかし、IQ2500というのは本当に恐るべき数値で、Mが3歳になる頃には既に教える事が無くなってしまいました。

それからは、世界中のありとあらゆる文献を取り寄せて読ませましたがそれにも限界があり、5歳になった今年、ついに現代地球上にある全ての知識を身に付けてしまったのです。


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