「Mとは、monsterの略称なんですよ…」

「monster…怪物?」

「ある意味そうですね」


俺が掴んでいた胸ぐらを放すと、リーダーはその場に座った。

「申し遅れましたが、私は経済産業省の商務情報政策局の局長を担当している奥寺と申します」

「はあ?
しょ、しょむじょ…」

「商務情報政策局、つまり情報処理に関する業務を行っている部署よ」


「そうです。
我々は日夜、情報通信網の強化と開発に注力してきました。

しかし、急激に進展する情報化と情報量の肥大化、それにグローバル化が益々進み我々は管理する事が出来なくなってきました。

そこで考えられたのは、人工知能による維持管理でした。


ですが、いくら高性能な人工知能を作ろうが、次々に開発されていく情報技術についていけなかったのです。

そこで考案されたのが、M計画だったのです。


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