翌朝――
6時30分に起きた俺は、風呂に入り朝御飯を食べると両親が周囲の復旧活動に出る姿を見送った。
俺が何をしているかだとか、手伝いに来る様にとも言わず、ただ手を振って出て行った。
多分、俺がどこで何をしていようが、生きる為の努力をしているのだと信じてくれているのだろう。
自分の責任で、自分達の未来を築かなければならない事を理解しているのだと、信じているのだろう。
両親の後ろ姿は、その事を俺に語っていた。
もうやるしかない。
自分の意志で、前に進むしかない。
例え何も変わらないとしても!!
俺は覚悟を決め、食卓に書き置きをすると外に出た。
濃い緑の長袖Tシャツに黒い綿のパンツを履き、靴はローカットの黒いバスケットシューズ。この格好が一番動きやすいからだ。
次に帰宅するのは、全てが片付いてからだ。それまで俺は、ここには帰らない。
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