空は天気予報通りに古びたコンクリートの様な雲に覆われ、日暮れと同時に関東地方に黒い雨が降り始めた。
雨はシトシトと、アスファルトを濡らし、草木を滑り落ち、そして大勢の人達の肌を叩いた。
初めは気付かなかった人達も、原子力発電所の爆発炎上のニュースが伝わり、自分達のおかれている状況わ分かっていった。
廃屋に逃げ込む人、瓦礫の山に穴を掘る人、木の板を持ち上げて雨をしのぐ人…
様々な人達の姿が見られたが、既にほぼ全員が手遅れだった。
頬をつたう滴には、通常の数万倍の放射能が含まれていたのだ。2千万人前後の人達が、高濃度の放射性物質に接触した事になる。
俺はその時、自宅の自分の部屋で、窓から見える星空を眺めていた。
ここは、関東地方からは遥かに西だ。おそらく放射能の影響も軽微だろう。
たが…
今も目の前に原子炉があるかの様に、メルトダウン寸前の様子を思い出す。
俺は――…
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