作戦基地に、俺達は無事に帰ってきた。


穂波はまだ、気を失ったまま眠っている。いや、少しでも長く眠っていた方が良いのかも知れない。

無力な自分を認めると、情けなくて…惨めで泣けてくる。



しかし――

穂波は突然目覚め、現実を知る事になった。


「こ…ここはどこ!?」

不意に目覚めた穂波は、上体を起こして周囲を見渡した。


「作戦基地だよ」

「作戦基地…


ねえ、原子炉は?
原子炉はどうなったの!?

ねえ、答えてよ!!」


俺はすぐに答える事が出来なかったが、いつまでも隠し通せるものではない。

「……駄目だった」


「だ…駄目だった?

あんなに頑張ったのに?

あの原子炉がメルトダウンすると、東海地方と関東地方に放射能が降り注ぐのに?

駄目だったの?」


俺は無言のまま、ゆっくりと頷いた。


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