この場所に立ち既に30分――
穂波の髪の毛は氷で固まり、近くで見ていても白髪に見える程だった。
既に唇は紫色で、顔には色がついた部分が無くなり、氷の結晶よりも白かった。
握り締めた拳は小刻みに震え、膝はもう止める事すら出来ない程にガクガクと前後に揺れていた。
原子炉の熱を抑え込もうとする冷気を作り出す事は、体力的にも精神的にも身体に大きな負担となる。
それはダムの件もあり、俺も美空も十分に理解していた。
でも――
俺達がここで諦めてしまうと、関東一円が間違いなく壊滅的な打撃を受ける。
その事も十分に認識している為、穂波を止めるに止められなかった。何より、穂波自身がそれを拒んだ。
しかし、原子炉内の核融合は全く活動が衰える事もなく、発する高熱は既に穂波に氷を張る事さえ許さなかった。
高熱は逆に一度下がった室温を上昇させ始め、特に原子炉の周囲は50度を超えていると思われる。
氷はもう、穂波の身体を覆うだけになってしまった。
穂波は限界だ――
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