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意外と無茶するな…


美空が倒れた中年男性を壁際に移動させて座らせると、作業服の胸ポケットからカードを抜き取った。

「行こう」

お前もか…



だが今は、そんな事を気にしている場合ではない。早く発電所と外部との繋がりを断ち切らなければならない。

俺達はカードを差し込み解錠して、建物の中へと入った。


建物の中は殺風景で、装飾品も無く廊下と壁しかなかった。それに、やけに人も少なく、誰とも遭遇する事がなかった。

薄暗い真っ白な廊下を進むと、2階へと続く幅が3メートル程の階段を見付けた。

「この上じゃない?」

相変わらず根拠も無いくせに、美空が自信満々に指を差した。


「とりあえず上がってみるか」

俺達は足音を立てない様に、静かに階段を上がって行った。


2階にも人の姿は見えない。

余程原子力発電所に勤務したくないのか、それともそれだけの人数が必要ではないのか…


「ここ」

先頭を歩いていた穂波が小さな声で俺達を呼び、入口のプレートを指差した。

制御室…か。


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