私は恐怖心からか無意識に歩くスピードが少しずつ速くなっていった。

それにあわせて後ろの足音も速くなってくる。


こういうときは、どうしたらいいんだろう。

──家? 警察? 学校?

でも、まだストーカーだと決まったわけではないし……。


そうこう考えている間にも足音はどんどん近づいてくる。


──もう、だめかもしれない。

そう思ったときだった。


「なにしてるんすか」

後ろから、といっても私が感じていた足音のもっと後ろから声が聞こえた。

「ストーカー、ですか」

「ち、ちがう。俺はただ……、」

「もう、警察呼んであるんで、言い逃れできないですよ」


そう言われると、ストーカー(?)はがっくりとうなだれた。


警察が来たのは、そこから少し経った頃だった。

警察官たちがストーカーを取り押さえているとき、助けてくれた人がこちらへ向かってきた。